看護師・薬剤師の副業ブログは、「広告収益で稼ぐ場所」ではなく「資格と現場経験を信頼の証明に変える場所」と捉えるのが結論です。
ブログ単体で大きく稼ぐのは正直むずかしい一方、専門職のブログは監修・ライティングなど他の副業への「入口」として大きな価値を持ちます。
この記事では、公開されている調査データと、現役の看護師・管理薬剤師の発信事例をもとに、専門職ならではの副業ブログの始め方と注意点を整理します。
先に私の立場をお伝えしておくと、筆者はブログとWebライティングを中心に、未経験からWebスキル系の副業を一通り実践してきた発信者です。
自分のブログは初収益(数十円)まで7カ月かかりましたが、その記事を「実績の見本」として提示することで書く仕事につなげてきました。稼げた話も、稼げなかった話も、両方の実感を交えてお話ししますね。
看護師・薬剤師の副業ブログは実際いくら稼げる?調査データの現実
結論から言うと、日本アフィリエイト協議会の「アフィリエイト市場調査2022」では、回答者の85%が月1万円未満という結果が出ています。
しかも回答者の過半数は「歴5年以上」のブロガーだったとされています。
看護師向け副業解説メディア「医療福祉転職」の記事(2026年7月1日公開)でも、この調査を根拠に、ブログ・アフィリエイトは看護師に「おすすめしない副業」に分類されていました。
つまり「資格があればブログですぐ収益化できる」という話ではまったくありません。
私自身、未経験からブログを始めて初収益の数十円が発生するまで7カ月かかり、その間に3回「もうやめようかな」と思いました。
時給制のバイトと同じ感覚で始めると心が折れる、というのは体験として断言できます。
ブログは「育つまでが長い畑」のような副業です。種をまいてすぐ実がなる単発案件とは、時間軸がまるで違うんですね。
それでも看護師・薬剤師の方にブログをおすすめしたい理由は、次の章の「収益以外のリターン」がとても大きいからです。
看護師・薬剤師ブログの収益化は監修・ライティング案件が本命
専門職ブログの最大の価値は、国家資格保持者による執筆・監修の需要につながることです。
薬剤師向けのキャリア解説記事(2026年4月28日公開。以下「薬剤師キャリア記事」)では、医療・美容系メディアにとって国家資格保持者の執筆・監修は「喉から手が出るほど欲しいリソース」だと紹介されています。
同記事によれば、文字単価3〜5円の高単価案件も珍しくないとのことです(あくまで同記事の紹介する水準で、誰でもこの単価から始められるという意味ではありません)。
背景にあるのが、Google検索で重視されるE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)です。
資格を持ち、現場の実体験を語れる看護師・薬剤師は、この点で一般ブロガーより明確に有利。
そしてブログは、その監修・ライティング案件を獲得するための「ポートフォリオ(実績の見本)」として機能します。
実際に、看護師と副業Webライターを両立した鈴木ゆゆさんの体験談記事でも、「WordPressブログを始めると仕事の幅が広がり、ブログ自体をポートフォリオにできる」と語られています。
同氏は病院看護師として15年以上働くなかで過酷な部署に配属され、Webライターに挑戦。
ブログでの執筆練習と仲間づくりを経て、副業開始から約2年で副業収入が夜勤手当を超え、3年目に交代勤務をやめて日勤パートへ移行したと公表しています。
ブログが直接稼いだというより、「書く力を鍛え、実績を見せられる場を持ったこと」が働き方を変えた、という構図ですね。
これこそが、85%が月1万円未満という現実の中でも専門職がブログを持つ意味だと、私は考えています。
管理薬剤師・公務員は要注意!ブログ副業前に確認すべき法律と就業規則
いちばん先に確認すべき答えはシンプルで、「就業規則」と「自分の立場の法的制約」の2つです。
看護師の場合、国立病院や公務員の立場では副業ができず、民間の病院・クリニックでも就業規則で禁止されているケースがあります。
副業禁止の職場で無断副業がバレた場合、減給や解雇などの懲戒処分になるケースもあると解説されているため、就業規則の確認は必須です。
薬剤師、特に管理薬剤師にはさらに強い制約があります。
薬機法第7条により管理薬剤師には専任義務があり、その薬局以外で薬事に関する実務に従事することは原則できません(都道府県知事の許可という例外はあるものの、簡単に認められるものではありません)。
ただし、ここに専門職ブログのメリットがあります。
前述の薬剤師キャリア記事では、ブログやライティングは「薬事に関する実務」とは区別されるため、専任義務に抵触する可能性が低い在宅副業として推奨されていました。
とはいえこれは法解釈に関わる話なので、最終的には勤務先や地域の薬剤師会、必要なら行政窓口に個別に確認するのが安心です。断定は禁物ですね。
あわせて、税金まわりの基本も押さえておきましょう。
- 副業所得が年20万円を超えたら確定申告が必要
- 年20万円以下でも住民税の申告は必要
- 住民税を「普通徴収」にしないと、勤務先への通知から副業が知られる可能性がある
「隠れてやる」より「ルールを確認して堂々と始める」のが、結局いちばんストレスのないやり方です。

看護師・薬剤師の発信事例に学ぶ、テーマ選びの正解は?
職種別の発信事例から見えてくる答えは、「本業ど真ん中ではなく、専門職の視点×書きやすいテーマの掛け算」が現実的な戦い方だということです。
| 事例 | 発信テーマ | 学べるポイント |
|—|—|—|
| 看護師・鈴木ゆゆさん | Webライター体験+ペットブログ | 医療にこだわらず「書けるテーマ」で経験を積む |
| 管理薬剤師・Mr.Tさん | 薬・ドラッグストアの仕事術ブログ「薬ドラ」 | 勉強の発信化。1カ月約30記事でアドセンス合格 |
| 匿名の薬剤師ブロガー(年収1,000万円と公表) | 男性向け育児ブログ | 本業と違う切り口でも「書く力」は磨ける |
ドラッグストアの管理薬剤師Mr.Tさんは、ブログ「薬ドラ」を「自分自身の勉強」と「副業的な収入源」の2つの目的で運営していると語っています。
開設1カ月で約30記事を書いてGoogleアドセンスに一発合格した一方、「薬剤師ブログはYMYL(健康・お金など人生に大きく影響するジャンル)に該当するのでPVは伸びにくい」と正直に明かしているのが印象的でした。
資格者本人が本業ど真ん中で書いてもアクセスが伸びにくい——この証言こそ、「医療・健康の中心テーマは個人には厳しい」ことを示す具体例だと私は受け止めています。
一方、鈴木ゆゆさんが最初に獲得したライター案件はペット関係で、運営しているのもペットブログ(猫のご飯代をブログ収益でまかなっているそうです)。
年収1,000万円と公表している匿名の薬剤師ブロガーも、テーマは薬剤師ではなく「出産準備〜新生児育児中の男性向け育児」で、目的は「読まれる文章力を身につけること」と明言しています。
医療・健康のど真ん中を避け、あえて半歩ずらすのが賢い選択と言えそうです。
整備士など、医療以外の専門職にも応用できる?
正直にお伝えすると、整備士のように医療以外の専門職では「ブログで収益化した」という公開事例がまだ少ないのが現状です。
紹介できるのも、出張整備サービス「セイビー」で兼業する整備士・中村禎秀さんのように、ブログではなく「働き方」の事例が中心になります(中村さんは「副業ではなく兼業」という意識で、本業ディーラーの定休日に稼働しスキルアップにつなげていると語っています)。
ただ、発信者が少ないことは悪い話ばかりではなく、資格者の一次体験で書ける割にライバルの専門家ブログが少ない領域は、後から始める人にも席が残っています。
このあたりは職種ごとに事情が異なるため、整備士など医療以外の専門職のブログ戦略は、あらためて別の記事で掘り下げる予定です。
副業ブログの始め方5ステップ——小さく始めて続ける手順
始め方の答えは、次の5ステップです。
- ステップ1:就業規則と立場の確認。副業可否、届出の要否、管理薬剤師なら専任義務との関係をチェック。
- ステップ2:テーマ決め。健康・医療情報そのものより、「専門職の働き方」「資格の活かし方」「本業周辺の生活テーマ」が個人には書きやすい領域です。
- ステップ3:WordPressでブログ開設。月数千円程度の費用はかかりますが、ポートフォリオとして提示でき、広告収益化も可能になります。
- ステップ4:まず記事を書きためる。Mr.Tさんの1カ月約30記事は速い例で、無理のないペースでOK。「読まれるまで時間がかかると開き直って書き続けること」が本人の言葉でも強調されています。
- ステップ5:ブログを名刺に、監修・ライティングへ展開。クラウドワークスやランサーズ、ココナラなどで案件に応募する際の実績として使います。
勉強法としては、鈴木ゆゆさんが「新しい文章力の教室」という本を何度も読み、自分のブログで書いて鍛えたと紹介しています。
高額な講座に複数通ったものの「費用の割に効果を感じなかった」とも書かれていて、本+実践+フィードバックの低コスト学習で十分始められるというのは、独学でやってきた私の実感とも一致します。
専門職ブログの落とし穴——情報商材・守秘義務・職場での話題
先回りして、つまずきポイントを3つお伝えしておきますね。
1つ目は「初心者狙いの情報商材・高額スクール」です。
医療福祉転職の記事では、「昔は稼げたが今は稼げない元ブロガー」がSNSで時代遅れのノウハウを高額販売するケースへの注意喚起がありました。
鈴木ゆゆさんも、SNSで「ライター初心者」と投稿すると詐欺的な勧誘メッセージが大量に来ると警告しており、「電話」「公式LINE」「師匠」といったワードが出たら要警戒とのこと。
看護師や薬剤師は「お金がある」と見られやすく、狙われやすい層だと自覚しておきましょう。
2つ目は守秘義務とコンプライアンスです。
職場で得た症例や患者・顧客の情報をブログに書くのは絶対NG。
薬剤師については、日本薬剤師会の「薬剤師行動規範」でも、職務上知り得た秘密を正当な理由なく漏らしてはならない旨が定められています。看護師も同様に守秘義務を負っており、勤務先が特定される内輪話は避けるのが鉄則です。
3つ目は、職場で副業の話をしないこと。
鈴木ゆゆさんは「建前上副業禁止の職場は多く、珍しい副業は詮索や噂の的になりやすい」ため、本業中に副業の話をしないことを勧めています。地味ですが本当に大事な自衛策です。
考察:看護師・薬剤師のブログは「信用を積む場所」という筆者の見立て
ここからは私の考察です。
複数の事例を並べて見えてくるのは、専門職ブログの本当の役割は「アクセスを集めて広告で稼ぐこと」ではなく、「この人は本物の専門家で、分かりやすく書ける」という信用を可視化することだという点です。
85%が月1万円未満というデータがある以上、ブログ収益だけを目標にすると高い確率で心が折れます。
私自身、初収益まで7カ月かかった時期を支えてくれたのは「収益」ではなく、書いた記事が案件応募時の見本として使えた経験でした。
目標を「金額」から「見せられる実績の数」に置き換えた途端、続けるのが一気に楽になったんです。
AI時代に専門職ブロガーが生き残る勝ち筋
Webライターの将来性について、医療福祉転職の記事では「文章の良し悪しの理解度が高い人はAIに代替されず需要が上がり、低い人は淘汰される」と分析されていました。
私はここに、専門職の勝ち筋があると考えています。
AIは一般論を書けても、「現場で本当にあったつまずき」「資格者としての判断の背景」は書けません。
だからこそ、資格+実体験を持つ人がブログという発信基地を持ち、そこから監修・執筆・相談へ展開する二段構えは、2026年時点で有力な選択肢のひとつだと、筆者としては考えます。
「副業」ではなく「兼業」——本業に返ってくるリターン
もうひとつ個人的に注目しているのが、整備士の中村さんの「副業ではなく兼業」という言葉です。
年収1,000万円と公表する薬剤師ブロガーも、副業で得たマネジメント視点や言語化能力が本業に活きたと語っていました。
ブログも同じで、「書くために調べる→知識が整理される→本業の説明力が上がる」という循環が生まれます。収益がゼロの期間ですら、リターンはゼロじゃないんです。
今後の見通しとしては、医療系YMYL領域の個人発信は引き続き厳しさが続く一方、「専門職の働き方・キャリア」ジャンルには個人が戦える余地が残ると見ています。
完璧なテーマ選びを待つより、まず1記事。それが私からのいちばんの提案です。
まとめ:資格と経験を「発信できる形」に変えることから始めよう
看護師・薬剤師にとって、副業ブログは「すぐ稼げる副業」ではありません。
しかし、E-E-A-Tが重視される今、資格と現場経験を持つ人の発信には確かな価値があり、ブログは監修・ライティング案件へつながるポートフォリオとして機能します(薬剤師キャリア記事によれば文字単価3〜5円クラスの案件も紹介されています)。
始める前に就業規則と法的制約(特に管理薬剤師の専任義務)を確認し、YMYLど真ん中を避けたテーマ設定で、低コストに小さくスタートする。
情報商材と守秘義務違反にだけは気をつけて、続けながら整えていきましょう。完璧じゃなくて大丈夫です。
よくある質問
管理薬剤師でもブログの副業はできますか?
薬機法第7条の専任義務により他の薬局での勤務は原則できませんが、薬剤師キャリア記事では、ブログやライティングは「薬事に関する実務」と区別され、抵触の可能性は低いと解説されています。ただし法解釈が絡むため、勤務先の就業規則の確認に加え、必要に応じて薬剤師会など専門窓口への確認をおすすめします。
看護師のブログ副業はどれくらい稼げますか?
日本アフィリエイト協議会の「アフィリエイト市場調査2022」では、回答者の85%が月1万円未満という結果でした。収益目的だけでなく、監修・ライティング案件につなげるポートフォリオとして育てるのが現実的です。
看護師・薬剤師がブログを書くなら、どんなテーマが向いていますか?
健康・医療情報のど真ん中はYMYLで個人には厳しいため、「専門職の働き方・キャリア」「資格の活かし方」、あるいは鈴木ゆゆさんのペットブログのように本業と別の書きやすいテーマが現実的です。目的を「読まれる文章力とポートフォリオづくり」に置くのがおすすめです。



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