公務員の副業ブログは違反?国家・地方別の許可ラインと収入の扱い

パソコンでブログを書く公務員風の人物と、法律の書類や兼業許可申請書が並ぶデスクのイメージ 副業

※この記事はプロモーションを含みます。

公務員の副業ブログは「一律に違反」ではありません。分かれ目は、収益化して継続的に稼ぐかどうか。稼ぐ段階に入ると、原則として事前の承認・許可が必要になります。

Google AdSenseやアフィリエイトで広告収入が出て、確定申告が必要になる「年20万円」のラインを超えていく——このあたりから、公務員の副業ブログは「趣味」から「兼業」へと性格が変わり始めます。

この記事では、国家公務員法・地方公務員法の条文、収入の扱い、許可ライン、そして2026年4月に始まる新制度までを、総務省・人事院の一次資料に沿って、はじめての人にも分かるように整理します。

公務員の副業ブログは違反になる?まず結論から

結論から言うと、分かれ目は「営利目的の継続的な活動かどうか」という一点です。

無報酬で、趣味や記録として書いているブログは兼業とみなされにくく、許可がなくても問題になりにくいとされています。

一方、AdSenseやアフィリエイトで広告収入が発生し、それが継続的・反復的な営利活動と見なされる場合は、原則として事前の承認・許可が必要になり得ます。

つまりハードルは「ブログを書くこと」ではなく、「そこから継続的にお金を得ること」の側にあるんですね。

だからこそ、収益化を始める前に所属機関へ確認しておくのが安全な進め方です。これは筆者の思いつきではなく、後述する人事院・内閣人事局の資料でも同じ趣旨が示されています。


国家公務員と地方公務員で根拠になる法律は違う?

副業が原則制限される根拠は、国家か地方かで条文が分かれます。

前提として、公務員には次の「三原則」があります。

  • 信用失墜行為の禁止(国家公務員法99条/地方公務員法33条)
  • 守秘義務(国家公務員法100条/地方公務員法34条)
  • 職務専念の義務(国家公務員法101条/地方公務員法35条)

そのうえで副業に直接効くのが「営利企業への従事制限」です。

国家公務員は、103条(私企業からの隔離)で、営利企業の役員等を兼ねることや自ら営利企業を営むことが、人事院の承認を得た場合を除いて禁止されています。

そして104条(他の事業又は事務の関与制限)では、報酬を得て役員兼業以外の兼業を行う場合に、内閣総理大臣及び所轄庁の長の許可が必要と定められています。ここは許可権者が曖昧になりやすい部分なので、正確に押さえておきたいところです。

地方公務員は、地方公務員法38条が一本で、任命権者の許可なく営利企業を営んだり、報酬を得て事業・事務に従事したりできないと定めています。国の103条・104条に相当する内容を、一つの条文でまとめている形です。

建て付けは違っても、「原則は許可制、要件を満たせば可」という考え方は共通です。

ここが大事なのですが、これらは「本業に支障をきたす営利活動」を対象にしたもので、すべての副収入を一律に禁じているわけではありません。だからこそ「許可ライン」を正しく知る意味があります。


副業ブログの「収入」はどう扱われる?営利性が分かれ目

収入の扱いは、それが「継続的・反復的な営利活動」から生まれているかで判断が変わります。

この点、国家公務員の兼業をめぐる公式のQ&A資料でも、アフィリエイト収入を得ることだけをもって、ただちに兼業に該当するわけではない、と整理されています。

そのうえで、営利目的の有無、投稿の継続性・反復性、規模(主に収入額)などによっては、承認や許可が必要な兼業に当たる可能性がある、と続きます。

これをブログに当てはめると、次のように分けて考えられます。

  • 収益化していないブログ:趣味・記録の範囲なら認められやすい傾向
  • 本格的な営利目的のアフィリエイトブログ:営利活動に該当する可能性が高く、承認・許可が要りやすい
  • 記録的なブログに少額の広告を貼る程度:判断が微妙。迷ったら人事担当者に相談

税務面も外せません。給与以外の所得が年20万円を超えると、所得税の確定申告が必要です。なお20万円以下でも、住民税の申告は別途必要になり得ます。

筆者としては、「営利性」と「継続性」という2語を頭の隅に置くだけで、判断のブレはかなり減ると感じています。金額の大小よりも、「継続してお金を得る仕組みになっているか」で見られる、というのが実務上の勘所です。

※画像はAIによるイメージ

国家公務員の副業ブログ|許可ラインと兼業の基準

国家公務員の副業を考えるうえで参考になるのが、104条の許可基準です。

これは昭和41年通知(職員の兼業の許可について)を、平成31年3月28日付の内閣人事局通知(閣人人第255号)で明確化したもので、地方でも国基準を採用する自治体が多数派のため、目安になります。

一般的に示されている基準は次のとおりです。

| 項目 | 目安となる基準 |
|—|—|
| 兼業時間 | 週8時間以下、または1か月30時間以下 |
| 1日あたり | 勤務日(平日)は1日3時間以下 |
| 報酬 | 社会通念上、相当と認められる程度を超えない額 |
| 利害関係 | 所属機関と兼業先に特別な利害関係がないこと |

※上記は内閣人事局の平成31年通知(閣人人第255号)で示された目安です。詳しくは記事末の「出典・参考」を参照してください。

数字だけ見ると細かいですが、読み方はシンプルです。要は「本業の勤務時間や心身に食い込まない範囲か」を、時間という物差しで可視化しているだけ。だから深夜まで作業が及ぶ運営や、勤務中の対応が前提の仕事は、時間内でも評価が厳しくなります。

なお教員には特例があります。教育公務員特例法17条により、本務に支障がないと任命権者(教育委員会など)が認める場合は、教育に関する職や事業に従事し報酬を得られると明記されています。ただしこれも許可が前提です。


【2026年4月】自営兼業制度の見直しで何が変わる?

ここが、いま最も動いているポイントです。

人事院は令和7年(2025年)12月19日、国家公務員の自営兼業制度を見直すと発表しました。新制度の施行は令和8年(2026年)4月1日からです(出典:人事院/日本経済新聞2025年12月19日)。

何が変わるのか。これまで国家公務員が「自ら事業を営む」形で認められていたのは、不動産賃貸・家業の継承・太陽光発電の、実質3分野に限られていました。

今回の見直しでは、ここに新しく2つのカテゴリーが承認対象として加わります。

  • 職員の有する知識・技能をいかした事業(例:手芸品の製作・販売、スポーツや芸術関係の教室、書籍の執筆、講演など)
  • 社会貢献に資する事業(例:地域イベントの主催、高齢者の買い物代行など)

手続きの流れは、開業届の提出と事業計画の作成を求め、通常の職務に支障が生じないか、公務の信用を損なわないかを各府省庁が審査して承認する、という形です。

一方で、承認されにくい活動もはっきり示されています。単純な「せどり(転売)」のように、付加価値を付けずに安く仕入れて高く売るだけの事業は、想定の対象外とされています。

運用の原則も厳しめです。兼業は原則として週休日に行うものとされ、勤務日に入れるのは例外。時間の目安は前章と同じく週8時間・月30時間・1日3時間以内で、年次休暇を使って計画的に兼業することは原則認められない、というラインが維持されています。

見直しの背景には、人材確保の課題があります。人事院が国家公務員約2,000人に行ったアンケート(令和7年2月公表)では、趣味・特技や社会貢献につながる分野での兼業希望が3割を超えました。ここに応えることで、採用や離職防止につなげたい、という狙いです。

では、これはブログにどう効くのか。筆者としては、「専門知識を体系化して発信するブログ」や「書籍執筆・講演につながる情報発信」は、知識・技能をいかした事業として説明しやすい方向にあると考えます。逆に、営利一色のアフィリエイトだけを前面に出す運営は、付加価値の説明が弱く、承認のハードルは相対的に高くなりそうだ、というのが個人的な読みです。

なお、この見直しは国家公務員が対象です。地方公務員については、後述の総務省通知で、職員個人のスキルをいかした自営兼業も認め得るとの考え方が別途示されています。


地方公務員の副業ブログ|自治体ごとに違う許可基準

地方公務員でややこしいのは、許可基準が自治体ごとにバラバラな点です。

総務省の実態調査(H31.4.1時点/令和2年1月10日総行公第1号)では、許可基準を設定している団体は全1,788団体中703団体(約4割)にとどまり、対外的に公表しているのは353団体という状況でした。

つまり「他の自治体でOKだった」だけでは、自分の職場でも大丈夫とは言えないわけです。

もっとも、状況は動いています。総務省は令和6年に「地方公務員の働き方に関する分科会」を設けて検討を重ね、令和7年6月11日付で各自治体に技術的助言(総行公第72号)を通知しました。基準を設けて公表する団体を増やし、兼業を希望する職員が申請をためらわない環境をつくる方向です。

許可件数の実態も見ておきましょう。同通知の別添となった実態調査(R6.4.1時点)によると、地方公務員の兼業許可は約4万1,587件で、前回の約4万1,669件からほぼ横ばい。その多くは不動産賃貸・家業の手伝い・小規模農業などです。社会貢献活動に関する許可は約1万3,498件と、前回から約2,000件(1,992件)増えています。また、許可基準を設けている団体のうち約85%が、国家公務員と同様の基準を採用しているとされています(いずれもR6.4.1時点調査)。

解禁の流れも段階的に進んできました。

  • 2017年前後:兵庫県神戸市が「地域貢献応援制度」を、奈良県生駒市なども兼業促進の仕組みを先行公表
  • 2018〜2019年:国が国家公務員の社会貢献活動への兼業について考え方を整理
  • 2024〜2025年:総務省が有識者分科会を設け、地方向けの技術的助言を通知

ただし、これらは「公益性が高く、本業に支障をきたさない範囲」が前提。営利一色のブログを自由にできる状態になったわけではありません。

「いつから自分の職場で認められるか」は所属機関の規程改定次第です。ここは焦らず、人事担当者に最新の取り扱いを確認するのが結局いちばん早いです。

※画像はAIによるイメージ

無許可の副業ブログはなぜバレる?処分事例と住民税

「匿名だし少額だからバレないのでは」と考える人は多いですが、公務員は会社員より発覚しやすい構造を持っています。

主な経路は次のとおりです。

  • 住民税の額の変化:公務員は住民税が「特別徴収」(給与天引き)のことが多く、副収入で所得割が動くと経理・人事に気づかれやすい
  • 第三者の通報:同僚・知人・取引相手からの通報、SNSや投稿内容からの本人特定
  • 確定申告・支払調書:取引先が支払調書を出すと収入の記録が残る

実際の処分事例も、報道ベースで見ると輪郭がはっきりします。

  • 岐阜県土岐市の消防署員(2019年):インターネットに記事を寄稿して報酬を得ていたとして減給10分の1(1か月)。個人パソコンで勤務中にも執筆していたと報じられた
  • 大阪市の市立小学校教諭(2022年):無断でカウンセリング・コーチングのHPを開設し約200万円を得たうえ、市教委の調査に「受け取っていない」と虚偽申告し停職2か月
  • さいたま市の職員:相続した水田で無許可のコメ生産を長年続け、規模も拡大していたとして停職6か月

こうして並べると、処分の重さは金額そのものより、継続性・規模・虚偽申告・信用への影響で跳ね上がることが見えてきます。記事執筆で減給、虚偽申告が絡むと停職、という具合です。

処分は軽い順に戒告・減給・停職・免職(国家公務員法82条/地方公務員法29条)。人事院の「懲戒処分の指針について」では、無許可の兼業そのものは原則として減給または戒告とされていますが、そこに虚偽申告や勤務時間中の作業、規模の大きさが重なると、量定は一気に重くなります。

では、読者にとっての実務的な「安全圏」はどこか。筆者の整理では、①勤務時間中は一切手を付けない、②収益化する前に人事へ相談する、③申告すべき所得はきちんと申告する——この3つを外さないことが、リスクを最小化する現実的なラインだと考えます。逆に、勤務中の作業や虚偽の説明は、事案を「うっかり」から「悪質」へ引き上げる典型なので、絶対に避けたいところです。

なお、ネット上には「住民税を自分で納付にすればバレない」といった“回避策”も出回りますが、公務員は特別徴収の運用上そもそも切り替えにくく、制度の趣旨にも反しかねません。筆者としては、リスクを抱えて無許可で進めるより、正規の手続きを経るほうが結果的に心穏やかに続けられると考えています。


【考察】公務員の副業ブログはこれからどうなる?

ここからは筆者としての私見です。

公務員の副業ブログをめぐる状況は、「原則は許可制のまま、発信ニーズだけが確実に高まっている」という、ねじれた過渡期にあると感じています。

象徴的なのが、先行事例のその後です。神戸市が2017年に始めた「地域貢献応援制度」は、公益性の高い活動なら報酬を得てもよいと認めた画期的な仕組みとして注目されました。

ただ、総務省の分科会資料が示すように、基準を設けて公表する自治体は数年を経ても全体の一部にとどまっていました。ここに大事な教訓があると思います。制度が用意されても、実際に広がるには時間と運用の積み重ねがいる。解禁は「一気に」ではなく「じわじわ」進むものだと考えられます。

もう一つ、民間との対比も外せません。民間では2018年に厚生労働省がモデル就業規則を改定し、副業・兼業を原則容認へと舵を切りました。

対して公務員が遅れて見えるのは、「全体の奉仕者」としての中立性・信用の確保という、民間にはない縛りが構造的に効いているからです。だから公務員の解禁は、営利性より先に「公益性・社会貢献」や「本人のスキルをいかした事業」から道が開く——この順番は当面変わらないと個人的には見ています。

そのうえで、2026年4月の自営兼業見直し(人事院)は、Webサイト制作やハンドメイド販売、執筆・講演のような「自分のスキルを形にする副業」に追い風になり得ます。逆に、単純転売やギグワークは想定外とされており、「付加価値のない稼ぎ方」は通りにくい、というのが筆者の読みです。

だとすれば、ブログで説明が通りやすいのは「専門知識の体系化」や「地域貢献につながる発信」の側でしょう。営利一色のアフィリエイトより、経験に裏打ちされた情報のほうが、承認のハードルは下がりやすいと考えられます。

そしてAIの量産記事とは真逆に、GoogleのE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を満たす「人の手が入った発信」が評価される流れは続くはずです。公務員の強みは、まさにこの「実体験に基づく信頼性」にあります。

だからこそ、収益化を急ぐより、まず収益化しないブログで土台を育てておくという選択も現実的だと感じます。制度が変わったときに、無理なく動ける準備だけ整えておく。焦らず地ならしをする、という発想です。


まとめ

公務員の副業ブログは「一律に違反」ではなく、営利性と継続性がラインになります。

無報酬・趣味の範囲なら問題になりにくく、AdSenseやアフィリエイトで継続的に稼ぐなら、原則として承認・許可が必要になり得ます。

根拠は国家公務員法103条・104条(104条の許可権者は内閣総理大臣及び所轄庁の長)と地方公務員法38条。地方は自治体ごとに基準が違い、総務省の実態調査(R6.4.1時点)では許可が約4万1,587件、社会貢献活動の許可が約1万3,498件、基準設定団体の約85%が国基準を採用しています。

さらに2026年4月からは、国家公務員の自営兼業に「知識・技能をいかした事業」「社会貢献に資する事業」が加わります。住民税の特別徴収から発覚しやすい構造もあるため、迷ったら人事担当者に相談し、収益化前に確認する——完璧に理解してから動くより、まずここから始めれば大丈夫です。


よくある質問

Q. 公務員がブログで広告収入を得るのは違反ですか?

内容と規模によります。国家公務員の兼業に関するQ&A資料では、アフィリエイト収入だけでただちに兼業に当たるわけではないとしつつ、営利目的・継続性・収入額によっては承認や許可が必要になり得るとされています。広告のない個人的な記録ブログなら問題になりにくく、迷う場合は人事担当者への相談が確実です。

Q. 国家公務員と地方公務員でルールは違いますか?

根拠条文が異なり、国家公務員は国家公務員法103条・104条、地方公務員は地方公務員法38条が適用されます。「原則は許可制」という考え方は共通ですが、地方は自治体ごとに許可基準が異なるのが特徴です。総務省の実態調査(R6.4.1時点)では、基準を設ける団体のうち約85%が国基準を採用しています。

Q. 副業ブログの収入はいくらから確定申告が必要ですか?

給与以外の所得が年20万円を超えると、所得税の確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は原則必要になります。正しく申告することが基本で、申告そのものが副業発覚に直結するわけではありません。


出典・参考

  • 人事院「自営兼業制度の見直しについて」(令和7年12月19日発表/令和8年4月1日施行)
  • 内閣官房内閣人事局「職員の兼業の許可について」(昭和41年2月11日総人局第97号)/「同許可基準に関する事項について」(平成31年3月28日閣人人第255号)
  • 総務省「営利企業への従事等に係る任命権者の許可等に関する留意事項について」(令和7年6月11日総行公第72号)及び別添「実態調査(R6.4.1時点)」
  • 総務省「営利企業への従事等に係る任命権者の許可等に関する実態調査(H31.4.1時点)」(令和2年1月10日総行公第1号)/「地方公務員の働き方に関する分科会報告書」(令和6年)
  • 国家公務員法99〜104条・82条/地方公務員法33〜38条・29条/教育公務員特例法17条
  • 人事院「懲戒処分の指針について」(平成12年)
  • 処分事例:朝日新聞・共同通信・各紙報道(大阪市教委2022年、岐阜県土岐市2019年 ほか)
  • 日本経済新聞「国家公務員、趣味生かした自営業可能に」(2025年12月19日)

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