「副業禁止の会社だけど、ブログならOKなのかな…?」——その不安への答えを、先にお伝えしますね。
多くの会社の副業禁止は「別の会社に雇われること」を主に想定していて、個人で運営するブログ収入までは就業規則に明記していないケースが少なくありません。
ただし「だから絶対に大丈夫」とは言い切れません。就業規則の中身しだいで扱いは変わりますし、公務員のように法律で制限されている立場の人もいます。
この記事では、会社員がブログ副業を始める前に知っておきたい「就業規則」と「リスクの境界線」を、法令や公的なデータにもとづいて整理していきます。
副業禁止でもブログはOK?まず結論から
結論から言うと、「副業禁止=ブログもすべてアウト」とは限りません。
そもそも民間企業の場合、就業規則で副業を一律に禁止しても、それが絶対の効力を持つわけではないと考えられています。憲法22条が職業選択の自由を保障しているからです。
副業には大きく分けて2種類あります。ひとつは別の会社に雇用されて給料をもらうタイプ、もうひとつは個人事業主として自分で稼ぐタイプです。
会社の副業禁止規定は、前者(=よそに雇われること)を主なターゲットにしていることが多く、ブログ収入のような個人事業型の活動まで細かく縛っていないことがよくあります。
とはいえ、ここで安心して終わりにしないでほしいんです。
大事なのは「バレるかどうか」よりも、自分の会社の就業規則が実際にどう書いてあるかを確認すること。ここを飛ばして始めると、あとで後悔する可能性が残ります。
まずは会社の就業規則を一度、自分の目で読んでみる。これが最初の一歩です。
そもそも会社が副業を禁止する理由とは?
なぜ会社は副業を嫌がるのか。その裏側を知ると、ブログの立ち位置が見えてきます。
大きな理由のひとつが、労働時間の問題です。労働基準法38条では、働く場所(事業場)が違っても労働時間は通算(合算)して計算すると定められています。
つまり、社員がよその会社でも雇われて働くと、1日8時間を超えた分の残業代計算が複雑になり、会社側に思わぬ支払い義務が生じることがあるんですね。
だから会社は「別の会社に雇われること」をできるだけ避けたいと考えます。
一方で、個人事業主としての活動は原則「労働時間」には当たりません。あなたが夜中までブログを書いても、会社に残業代の支払い義務が発生するわけではない。
ここが、雇用型の副業と個人事業型のブログとの決定的な違いです。会社が本当に警戒しているのは、多くの場合「よそに雇われること」のほうだと考えられます。
「副業」の線引きは曖昧?ブログ収入が含まれるケース・含まれないケース
実は「副業とは何か」という線引きは、思っている以上にあいまいです。
たとえば町内会の役員、子どもの習い事のコーチ、メルカリでの不用品販売、株やNISAなどの投資。これらも時間や手間を使いますが、多くの会社は副業として一律に禁止していません。
「お金を受け取ったら全部副業」と言い出したら、投資もフリマも説明がつかなくなってしまいますよね。
だからこそ、多くの会社の就業規則は個人事業レベルの活動まで明確に禁止しているケースが少なく、ブログ収入が副業に含まれないこともよくある、というわけです。
ただ、ここで気をつけたいことがあります。
これはあくまで「一般的にそういう傾向がある」という話であって、あなたの会社が当てはまるとは限りません。会社によっては、個人事業も含めてはっきり禁止していることもあります。
だからこそ、ネットの一般論を鵜呑みにせず、自社の規定を確認する——地味だけど、これが遠回りに見えて一番の近道なんです。

会社員がブログ副業で越えてはいけないリスクの境界線
ここが今回の本題、リスクの境界線です。
「私的な時間は自分のもの」という考え方があります。勤務時間外はプライベートなので、その時間の使い方を会社が全面的に縛るのは難しい——裁判例でも、原則としてはそう考えられています。
ただし、「就業規則を無視していい」という意味ではありません。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」でも、次の3つの義務を意識すべきだとされています。
- 職務専念義務…勤務時間中は本業に集中する義務
- 秘密保持義務…会社の機密情報を漏らさない義務
- 競業避止義務…会社と競合する事業で利益を害さない義務
このうち競業避止義務については、実際の裁判例もあります。厚労省の資料でも紹介される「協立物産事件」(東京地判 平成11年5月28日)では、食品原材料などを輸入する会社の従業員が、在職中に競業する会社を設立したことについて、労働契約上の競業避止義務に反すると判断されました。
雇用契約書に「本業と競合する副業はNG」と書かれている場合もあり、たとえばアフィリエイト会社に勤めている人が同種の副業をすると、問題視される可能性が出てきます。
そして、忘れてはいけないのが公務員です。ここは会社員とはっきり事情が違います。
公務員が「全体の奉仕者」として職務に専念すべきという根本の考え方は国家公務員法101条(職務専念義務)などに置かれていますが、副業そのものを直接制限しているのは同法103条(私企業からの隔離)と104条(他の事業又は事務の関与制限)です。地方公務員なら地方公務員法38条が根拠になります。
これらにより、国家公務員は営利企業の役員兼業や自ら営利企業を営むことが原則禁止され(103条)、それ以外で報酬を得て事業・事務に従事する場合にも内閣総理大臣と所轄庁の長の許可が必要(104条)とされています。ここは「原則NG、例外は許可制」と覚えておくと分かりやすいと思います。
ブログ副業の「境界線」を、傾向としてまとめると次のようになります。
| リスクが低い傾向 | リスクが高い傾向 |
| — | — |
| 勤務時間外・休日にだけ作業する | 勤務時間中に作業する |
| 本業と関係のないジャンルを扱う | 本業と競合するジャンルを扱う |
| 会社の機密情報に触れない | 社内情報や取引先の話を書く |
| 本業のパフォーマンスを保っている | 本業がおろそかになっている |
| 匿名・私生活と切り分けて運営 | 実名・勤務先を出して発信 |
※これは一般的な傾向の整理であり、最終的な判断は各社の就業規則や雇用契約によります。
つまりブログそのものが悪いのではなく、「どう運営するか」で境界線を越えてしまうことがある、というのがポイントだと私は考えています。
住民税でバレる仕組みと確定申告の基本
「税金の手続きで会社に知られるのでは」という不安も、よく聞きます。ここは仕組みを知れば落ち着いて対処できます。
副業(給与所得者)の場合、ブログ収入から経費を引いた所得が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。
ここで一点だけ注意を。この「20万円ルール」はあくまで所得税の話で、20万円以下でも住民税の申告は別途必要になる場合があります。「所得税がいらない=何もしなくていい」ではない、という点は取り違えないでくださいね。
そして、住民税の徴収方法を何も指定しないと、副業分を含めた住民税の情報が本業の会社に通知され、経理担当が「この人だけ住民税が多い?」と気づくきっかけになることがあります。
対応として知られているのが、確定申告書の第二表「住民税・事業税に関する事項」で、給与以外の所得分について「自分で納付(普通徴収)」を選ぶ方法です。こうするとブログのような給与以外の所得分の住民税の通知が、自宅に届く形になります。
ただし自治体によって取り扱いが異なる場合があるので、事前にお住まいの市区町村へ確認しておくと安心です。
そして大前提として、税金はきちんと申告・納税すること。バレないための小細工ではなく、納税は社会人としての義務です。ここを守ってこそ、堂々と続けられます。

ブログ副業の収入のリアル?最新データが示す正直な数字
「就業規則をクリアしたら、あとはガンガン稼げる!」——と言いたいところですが、ここも正直にお伝えしますね。
日本アフィリエイト協議会(JAO)の「アフィリエイト市場調査2025」(2025年12月実施)では、月1,000円未満の人が全体の52.5%を占めています。半分以上は、まだ収益化の入り口という段階です。
一方で、同じ調査では月3万円以上の人が12.4%。この割合は、調査を始めた2013年時点の2.4%から、12年で5倍以上に伸びています。
ここで、もうひとつ別の調査もあわせて見ておきましょう。アフィリエイトマーケティング協会の「意識調査2025」です。こちらは主要ASPに登録しているアフィリエイターが対象で、比較的活発に活動している層が多く回答しています。
この調査では、収入がないと答えた人が30.3%いる一方で、月100万円以上の層も13.3%と報告されています。
注意したいのは、この「13.3%」がブロガー全体の割合ではないこと。ASP登録者という、いわば“本気層”を含む母集団の数字です。一般的なブロガー全員がこの割合で稼げる、という意味ではないと理解しておくのが正直な読み方だと思います。
2つの調査に共通しているのは、収入に大きな幅があり、稼げる人と稼げない人の二極化が進んでいる、という実情です。
生成AIの普及で「情報をまとめただけの記事」には価値がつきにくくなり、実体験や独自の視点が差別化のカギになっています。
ここで落ち込む必要はありません。むしろ、最初から「すぐ大きく稼げる」と思わないほうが、途中で心が折れずに続けられます。半年〜1年は成果が出にくい時期がある、と最初から知っておくだけで、走り方はぐっと変わります。
考察:「バレるか」より「ルールの範囲で誠実に続けられるか」
ここからは、Webスキル系の副業を一通り経験してきた筆者としての率直な見方です。
ネット上のブログ副業の情報は、どうしても「バレない方法」に寄りがちです。もちろん住民税や匿名運用の知識は大切なのですが、そればかりに気を取られると、本質を見失うと個人的には感じています。
私が思う本当に大事な問いは、「バレるか?」ではなく、「自分の会社のルールの範囲内で、誠実に続けられるか?」です。
なぜなら、こそこそ隠すことを前提にすると、ずっと不安がつきまといます。稼げ始めたときに自慢して噂が広がる、本業が手につかなくなる——そうした崩れ方は、たいてい「隠す」という前提から生まれるからです。
一方で、就業規則を確認し、勤務時間外に、本業と競合しないジャンルで、機密に触れず淡々と続ける。この形なら、後ろめたさが小さく、長く走れます。
しかも、ブログで身につくライティングやマーケティングのスキルは、本業にも還元できるもの。「会社に害を与える副業」ではなく「自分の市場価値を高める学び」として位置づけられたら、それが一番強いと私は考えています。
そしてもうひとつ、データの読み方について、私なりの視点を添えておきますね。
先ほどの2つの調査は、母集団が違うぶん一見ちぐはぐに見えます。JAOの調査では月1,000円未満が半数、片やASP登録者中心の調査では月100万円超が1割超——数字だけ並べると混乱しますよね。
けれど両者を重ねると、こう読めるんです。「多くの人は入り口で止まっている。でも、続けて本気で運用した層には、着実に収益が積み上がっている」。
実際、JAO調査で月1,000円未満の割合は2021年の68.6%から2025年の52.5%へ下がってきました(2022年に一度上がった年もあり、まっすぐ右肩下がりではない点は正直に言い添えます)。それでも大きな流れとしては、続けた人がじわじわ収益化に届く割合が増えているように見えます。ここは、悲観的な通説とは違う、私なりの読み方です。
制度の側も動いています。国家公務員の兼業は長く厳しく運用されてきましたが、近年は自営兼業の承認範囲を広げる方向の見直しが進んでいます。地方公務員についても、2025年6月11日に総務省が兼業許可の運用に関する通知(技術的助言)を出しました。副業を一律に縛ることは、会社にとっても行政にとってもリスクになりつつある——この方向は今後も続く可能性が高いと見ています。
ただ、その流れに乗るときこそ、事実を正しく知ってから動くこと。「一律で禁止できないらしいから就業規則は無視していい」わけではない、という点だけは、くれぐれも取り違えないでほしいと思います。
まとめ
会社の副業禁止は「別の会社に雇われること」を主に想定していることが多く、個人事業型のブログ収入までは明記していないケースが少なくありません。
ただし副業の線引きはあいまいで、扱いは就業規則しだい。公務員は国家公務員法103条・104条(地方公務員法38条)で原則制限されており、会社員でも「勤務時間中の作業」「競業」「機密漏えい」「本業への支障」は境界線を越えやすいポイントです。
税金は「所得20万円超で確定申告(住民税は別途必要な場合あり)」「住民税は自分で納付を選べる」という基本を押さえつつ、きちんと納税する。そして収入の現実は二極化しているので、最初から大きな成果を期待しすぎないこと。
まずは自社の就業規則を確認する。その小さな一歩から、あなたのブログライフを気持ちよくスタートさせてくださいね。
よくある質問
副業禁止の会社でブログをやったら必ずクビになりますか?
一律に「必ずクビ」とは言えません。民間企業の副業禁止は絶対的なものではないと一般に言われますが、競業や機密漏えい、本業への支障がある場合は懲戒などのリスクが高まります。まずは自社の規定と雇用契約書を確認しましょう。
ブログ収入はいくらから確定申告が必要ですか?
会社員(給与所得者)の場合、ブログ収入から経費を引いた所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要とされています。なお20万円以下でも住民税の申告は別途必要になることがあります。区分は状況で変わるため、不安な場合は国税庁の情報や税務署、税理士に確認すると安心です。
住民税で副業が会社に知られるのを避ける方法はありますか?
確定申告書の第二表で、給与以外の所得分の住民税を「自分で納付(普通徴収)」に指定すると、その分の通知が自宅に届く形にできます。ただし自治体によって取り扱いが異なる場合があるため、事前にお住まいの市区町村へ確認してください。なお、税金そのものは正しく申告・納税することが大前提です。


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